NHK大河ドラマ「風林火山」に武田信玄役で出演中の歌舞伎俳優、市川亀治郎が11月、歌舞伎で全国を巡演する。時代物の大作「奥州安達原・袖萩祭文」の袖萩と安倍貞任の2役、そして舞踊「吉野山」の狐忠信にふんする。大車輪の活躍になりそうだ。(
亀岡典子)
「風林火山」では戦国武将、武田信玄を男らしく骨太に演じている亀治郎。しかし本業の歌舞伎では美しい女形、凛々(りり)しい立役(男役)と両方をこなす若手実力派として注目される存在である。今回の全国公演でも、「袖萩祭文」で、女形の袖萩と立役の貞任の2役を演じ分けるのが見どころだ。
物語は、前九年の役で、八幡太郎義家に滅ぼされた奥州の安倍一族の壮絶な復讐(ふくしゆう)のドラマ。
劇的な構成のなかに、盲目の女芸人となった袖萩の悲しい運命と、復讐の鬼と化しながらついに挫折する勇将・貞任の悲劇がスケール感たっぷりに描かれる。
亀治郎は昨年京都の春秋座の自主公演で初めて演じ、大きな成果をあげた。今回は2度目の挑戦。共演は●仗直方に市川段四郎、安倍宗任に中村亀鶴、八幡太郎義家に市川門之助、浜夕に坂東竹三郎。
もう一本の「吉野山」は、「義経千本桜」からもっとも華やかな道行の場面。源義経の恋人、静御前が家来の忠信とともに、桜満開の吉野山に義経を訪ねていく道中を美しく幻想的に描く。忠信は実は静御前が持っている鼓の皮になった狐の
子供。親恋しさに鼓を慕い、人間(忠信)の姿になって静のお供をしている...
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